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IID 世田谷ものづくり学校(世田谷区)

作成日: 平成29年4月17日
更新日: 平成29年11月1日
 IKEJIRI INSTITUTE OF DESIGN 世田谷ものづくり学校(IID)は、廃校になった旧池尻中学校校舎をリノベーションして2004年に設立された施設です。株式会社ものづくり学校が、世田谷区と5年間の定期賃貸借契約を結んで借り受けており、民間企業が自治体から公共施設を借りるのは都内初の試みでした。この学校の特徴や目的などを、IID世田谷ものづくり学校に聞きました。

年間およそ700回のものづくり体験教室も実施

IIDエントランス。入居者は24時間出入り自由
 まずは、なぜ世田谷区で「ものづくり」なのかについてうかがいました。
 「施設がある世田谷区池尻、三宿近辺は都心に近い割には公園、住宅街が多い静かな環境のため、映像やデザイン、ファッション関連のクリエイターが多く暮らしている地域です。ものづくりが比較的身近に感じられる場所であることが、世田谷区にIIDの構想を提案した背景にありました。その当時、世田谷区で課題となっていた区内産業の育成、雇用促
入居者のオフィス内
進、地域活性化などをテーマに盛り込んだことが評価され、開設に至りました」
 施設には、デザイン、Web製作、建築家、木工製作など、幅広い分野のクリエイターが入居し、オフィスとして活用しています。
 「現在、入居中の事業者数は49。入居者同士で交流して互いに刺激し合う、協働して新しい商品や事業を生み出すといった事例は大変多いですね。また、入居者にも講師をお願いして、年間およそ700回のものづくり体
コワーキングスペース
験教室(ワークショップ)やセミナー、展示会なども実施。近隣の商店会や小中学校、自治会といった地域コミュニティとも連携して、地域の住民の交流拠点という役割も担っています」

産業振興・観光拠点化・地域貢献の活動にも賛同することが入居条件

一般に開放されたワークショップの様子
 施設の内訳は8割がオフィスで、契約は2〜3年が基本です。オフィス契約のうち、約2割は創業5年以内の事業者専用の創業支援ブースになっており、こちらは1年契約。さらに、世田谷区内で創業予定、あるいは創業5年未満で世田谷区内への移転を計画している人向けのコワーキングスペースも用意されています。
 「おかげさまで入居希望者は多く、平均で4~5倍の競争率です。入居にあたっては、私たちの運営方針である、産業振興・観光拠点化
中学校当時の教室をそのまま残した部屋
・地域貢献などの活動に賛同してくれることが条件になります。つまり、自分たちの仕事だけでなく、必要に応じてワークショップの講師、イベントのサポート、若者の就労支援などにも協力していただくのです。これらに納得していただいた上で面談を行い、世田谷区とも協議して入居者を決めていきます。事業計画やレポートも提出していただきますので、結構ハードルは高いかもしれません」
 一方、施設の残り2割は一般の方や、他所で仕事をするクリエイターも利用できるイベント、貸しスペースです。プレゼン、ミーティングなどのビジネスユースから、ギャラリー、スタジオ、さらにはドラマ、映画などのセットとしても使える中学校当時の教室をそのまま残した部屋もあります。

地域にも開かれた「ファブラボ世田谷」稼働で存在感が拡大

ファブラボには最新のデジタルファブリケーション機器がそろう
 最近のトピックは施設内の「ファブラボ世田谷」です。前身となる施設は2年前につくられ、2016年11月に本格稼働しました。ここには、3Dプリンター、レーザーカッター、3Dスキャナーなどのデジタルファブリケーション機器があり、入居者はもちろん、外部の個人、事業者など誰でも使える、開かれたものづくりスペースです。
 さらにアイデアをカタチにする、造形請負や出力のサービス、デジタルファブリケーション機器の利用方法を学ぶ講座、ジュエリーや装具を題材にした講座、IoTやプログラミングに関する講座なども開催しています。ビギナー~プロ、小学生~お年寄りまで幅広い層に向けており、このファブラボも地域活性化の重要な拠点になりそうです。
 現在までIIDに入居した事業者は累計161社(2017年10月現在)、来館者数は累計62万9676人(同・10月現在)におよびます。今後もこの流れが継続し、IIDは、世田谷区のクリエイティブ分野でさらに大きな存在感を示していきそうです。
IID 世田谷ものづくり学校
東京都世田谷区池尻2-4-5
TEL:03-5481-9011 FAX:03-5481-9012
IID 世田谷ものづくり学校WEBサイト
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